第17回 Support Your Local Poet Meeting いぬのせなか座
「詩は、なんでこんな格好をしているのか」
ー河野聡子『地上で起きた出来事はぜんぶここからみている』、鈴木一平『灰と家』刊行記念
マラルメやゴムリンガー、新国誠一や北園克衛をはじめ、最近では吉増剛造や最果タヒなど、古今東西さまざまな詩人たちが、言葉をふしぎなかたちに並べ紙面をデザインしてきた。
彼らの試みは視覚詩や具体詩、タイポグラフィなどと呼ばれ、詩の本筋からいくらか外れたもののように捉えられがちだ。でも、詩というものがどのように書かれていくか、その現場を考えてみると、ふつうの改行詩はもちろん、文章を書くことそのものが、言葉と言葉をどう並べつないでいくかの試行錯誤として見えてくる。
もしかしたら詩は、言葉を、思考を、経験をレイアウトしていく芸術と言えるのかもしれない。
昨年から今年にかけて、特殊な編集・デザインでそれぞれ刊行された、河野聡子と鈴木一平の2冊の詩集。その制作・発行元であるグループ「いぬのせなか座」が、「TOLTA」代表の河野聡子との対話やパフォーマンスを通して、いまあらためて、詩との新しい(本当の?)接し方を、考えてみる。
日時:2017年8月25日(金)19:00-21:00(開場18:30)
会場:スパイラル9F「スパイラルルーム」
出演:いぬのせなか座(鈴木一平、なまけ、山本浩貴+h)、河野聡子
料金:1,500円
定員:40名
主催:オブラート
協力:スパイラルスコレー
会場アクセス:東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」B1出口前。もしくはB3出口より渋谷方向へ1分。http://www.spiral.co.jp/a_map/
【ご予約】
info@oblaat.jp までご氏名をお知らせください。 いぬのせなか座の回ご希望の旨明記をお願いします。
【出演者プロフィール】
いぬのせなか座
山本浩貴とhによる制作ユニット=山本浩貴+hを中心に、『ユリイカ』や『現代詩手帖』などでも活躍する詩人の鈴木一平、作家のなまけによって、2015年に結成されたグループ。言語表現を中心に、演劇や絵画や映像、デザインなど、様々な表現ジャンルを複数人で議論・制作することで、〈私が私であること〉あるいは〈私の死後に向けた教育の可能性〉といったテーマを、なるべく日常的に考えつづけていく。書籍『いぬのせなか座』の刊行や、パフォーマンスの上演のほか、『ユリイカ』『文藝』などに論考を寄稿。2016年11月には、グループ内外の著者による本を編集・デザインする過程、それが読まれる過程を通じて新たな共同制作の技術や場の生成、伝達を試みるシリーズ「いぬのせなか座叢書」を創刊。現在2冊の詩集を刊行している。http://inunosenakaza.com/
河野聡子
ヴァーバル・アート・ユニットTOLTA代表。SF的物語をベースにした連作から、実験的な詩集まで制作。刊行詩集に『時計一族』(思潮社、2007年)『やねとふね』(マイナビ出版、2015年)他。書評や論考、エッセイを文芸誌、新聞等に寄稿。実験音楽のユニット「実験音楽とシアターのためのアンサンブル」でも活動中。