2月26日(金)

青空が欠片となって
バラバラと落ちてくる
朝の西武国分寺線はいつになく密で
天井にわだかまっている
吐息のような未来に
何かと何かの境は
急速にあいまいになってゆく

このごろ高校生が増えた
スーツ姿の男女がすくない
マスクを二重にしている人も増えた
現場へ行く途中の倉庫の前で
マスク50枚が200円で叩き売り
されていた
路地に猫がいない空き地が目立つ住宅地

なんにもない毎日は何かがあふれている毎日
そんな時間には尾がない
あらゆる影を欠いた
光のように

東京・小平
田野倉康一