2月10日(水)

喉を通過したものたちの
なきがらを
つぶして
からっぽに満たす

凍結した道に
うっすらと染まる白は
もっとも滑りやすいから
気をつけて 乗り遅れないように。

しずかなまま
原稿を送って
ぬくもりに代わる
ことばを探している

宿り木かとおもえば
鳥があつまっていく巣を
ひたすらに傍観者として
ゆびさして、

次第にひかりがあふれて
綿毛として雪が舞っていて
めんどうな出来事を
まきとっていく昼過ぎには

きみを育てるきみが
世界中で ゆびをさされる

北海道・札幌
三角みづ紀