1月19日(火)

明け方からの
おもさで
僕はたわんでいく

すべて通行止めだから
だれも これないね
おはよう

おやすみ
ニュースの声も
届かなくなった

暖房をつけたままの部屋は
空気が記憶をはらんでいて
あたらしく産む支度をして

罅が、生じても
おもさで
僕には見えなくなっていく

腕も足も枝葉もぜんぶ
うばわれて
深い眠りのまま過ごしていた。

木箱に詰まった林檎が
すこしずつ なくなる
皮ごと食していく

北海道・札幌
三角みづ紀