早朝に
吠えるモコに
起こされた
まだ4時だった
暗かった
モコを
抱いて
階段を降り
居間から
庭に降ろし
おしっこをさせた
ベッドに
戻すと
モコはすぐに眠った
わたしは別の部屋で
詩を
ひとつ書いた
朝食の後
TVで
大阪知事が医療現場の逼迫を
雄弁に語るのを
みていた
通天閣が赤かった
太陽の塔が赤かった
それから
ソファーで
眠ってしまった
夕方
には
モコと散歩した
闇の中に
南天の紅い実をみた
近所の玄関に繋がれた
黒い犬が
5時のサイレンに吠えていた
西の山は
山際が
明るく
その上の空は群青色をしていた
天と地だった
夜が怖いのか
モコは早足で歩いた
静岡・用宗
さとう三千魚
さとう三千魚