11月8日(日)

空気の日記 11月8日

朝から現代詩手帖12月号(現代詩年鑑)の「詩集展望」を書いている
コメダ珈琲店のカウンターで
マスクを着けて
書いている
詩集はどれも面白いのに
書くことには30分おきに嫌になっている
散文を書く才能がない
でも詩の注文はほとんど来ない
息をするように詩がかけるやつがうらやましい
そう見えるやつがうらやましい
たっぷりサイズのコメダブレンドを飲みながら
モーニングのAのゆで卵に塩をふり
食べようとしていきなり評言を思いつく
そのくりかえしで
ゆで卵が食べられない

昨日はムサビのエミュウのテラスで原稿を書いていた
散文が苦手であることに変わりはないが
ここで教務補助をやってる画家が
火曜日にギャラリーで購入した彼女の絵を持ってきてくれたりする
油絵の研究室に別の助教を訪ねて
ちょっこっと雑談したりする
コロナで正門の警備員さんが怖くなった
学外者はエミュウや食堂、売店を使えなくなった
昨日は初めて北門から入って
「ここの元非常勤です」と言って
「エミュウでここの教員と待ち合わせです」
と言ったら
警備員さんは優しかった
それでも学内の世界堂は使えないから
吉祥寺のユザワヤまで行かなきゃならない

コメダのの窓に夕陽が射して
まだ原稿は書けていない
締め切りは三日前
髙木君、ごめん

東京・小平
田野倉康一