うしなった居場所で
きみはねむり続ける
つもりはじめた記憶と
まじりあう感情が
ひかりを放つ
ふくらんだ山々
伸ばす枝が
うれしそうに身体を揺らす
まもなく分断されて白く染まる
そこなった時間を
わたしたち、
どうせ 忘れてしまうんでしょうけれど
氷が溶けない速度で
きょうのことを記そう
容赦ないころしあいの匂いが
窓から熱となって溶けた
あいかわらず
きみは起きなくて
誰も知らないあいだに
降る雨は
やさしい
北海道・札幌
三角みづ紀
三角みづ紀
うしなった居場所で
きみはねむり続ける
つもりはじめた記憶と
まじりあう感情が
ひかりを放つ
ふくらんだ山々
伸ばす枝が
うれしそうに身体を揺らす
まもなく分断されて白く染まる
そこなった時間を
わたしたち、
どうせ 忘れてしまうんでしょうけれど
氷が溶けない速度で
きょうのことを記そう
容赦ないころしあいの匂いが
窓から熱となって溶けた
あいかわらず
きみは起きなくて
誰も知らないあいだに
降る雨は
やさしい