8月18日(火)

うしなった居場所で
きみはねむり続ける

つもりはじめた記憶と
まじりあう感情が
ひかりを放つ

ふくらんだ山々
伸ばす枝が
うれしそうに身体を揺らす
まもなく分断されて白く染まる

そこなった時間を
わたしたち、
どうせ 忘れてしまうんでしょうけれど

氷が溶けない速度で
きょうのことを記そう
容赦ないころしあいの匂いが
窓から熱となって溶けた

あいかわらず
きみは起きなくて

誰も知らないあいだに
降る雨は
やさしい

北海道・札幌
三角みづ紀