7月27日(月)

秋の入口みたいな温度計
こごえながら炊飯器をあける
足りないから
洗う
つぶつぶしたもの

日々のしこりが残って
ぜんぶ触りつくした夕方が
あつまって
散る

だれかの詩を読む
赤い文字を記していく
感情すら
わたしが裁いて

よりそわないまま
会話をつづける一日のさかいめを失ったとき

分厚い上着を羽織って
カーテンを閉める手つきで
ななめに
雨が降りはじめて
それを見ながら
雨が降っていると
おもった

北海道・札幌
三角みづ紀