6月27日(土)

このところ東京では50人くらいがアベレージで
ウイルスが社会に定着していくようすが
想像できるようになってきた
真夏日に少し動くとマスクが息苦しい
許容は様々なことがらを
天秤にかけながら形成されていく

イベントで詩の書店をやって
何ヶ月かぶりに知らない人たちと接して
目ばかりを見て話しかけた
鼻も口も皮膚の下の内臓のようだ
そのような出会い方で
人を記憶するには
もう少し時間がかかる

そう
マスク越しの会話と
詩を挟んでの会話の
類似と違いを思ったのだった
この声は自分ではないし
あなたでもないでしょう
それでも強く伝わっていることはあって
そのような出会い方で人を
正しく記憶するには
もう少し時間がかかる

東京・港区
松田朋春