10月1日(木)

十月がはじまる
いつもはじまる

飛行機の残り香と
こまかく砕いた肉の音

秋になったので
ぼくたちはちがう季節に佇んでいた

延長線———
の、うえを歩いている

早朝と夜の雨
夕方は眠っていたので記憶にない

ずっと紛失したままだと
どうにか認められたころ

アフターやウィズ、
という言葉で
やりすごすやりきれなさが
カーテンを 閉めるたびに
身体を覆っていくのだった

いくえにも
紅葉していく丘を
直視してはいけない

北海道・札幌
三角みづ紀