3月31日(水)

桜の開花が10日ほど早まり
いつもならそろそろ盛りの桜が
もう名残の葉桜になります

季節外れ、と思い描いた季節は
ますます手が届かなくなりました

日々が緊迫し弛緩し
思惑と軽薄に揺さぶられ
魂も身体もこわばらせたこと
すべてに
よく生きたのだと
口笛を吹きます

机の上にある盆口説きの歌詞を眺めて

今夜良い晩 嵐も吹かず ウ
梅の小枝は なんとおりよかろ
月夜月夜に わしゅつれだして
今は捨てるか 闇の夜に

と見つけました

待って
月が
見えますか?
すごい

と明け方のような月あかりを
それだけに出来なかったことも
春だったと、ことさらに頷いて

せりあがる地面に
よろけることそのものが
わたしたちで
生きることで
今なのだから
全てのミステイクの中で
わたしも過ちを抱えているのだなと
小唄を唄うのです

名前がやってきて
名前が過ぎて
また新しい名前が訪れて
同じ石でつまづくのが
人ではありますが

つまづいた先の空中ブランコに乗ることも
転げ落ちた先のガレキの屑をとりはらえるのも
そのまま人なので、ね

※大分県中津市耶馬渓町の盆口説きから引用

大分・耶馬溪
藤倉めぐみ