3月28日(日)

Zoomで始まってZoomで終わった今年度の最後に
ユネスコ詩の日の国際朗読会の司会を頼まれてしまった
70言語で300人が読むという、その一角
12名の詩人、
日本、韓国、ベトナム、カンボジア、タイ、
この2時間にぼくのZoomに登場する彼ら

セッションは柏木麻里さんの蝶の詩から穏やかにはじまり
新井高子さんの上州弁、上田假奈代さんの大阪弁、
さらさらと英語で進行する
「方言」を主題とした朗読会は好調に進む
青い壁の新しい書斎から
Zoomでの司会は続く

めちゃくちゃ説得力を持った韓国の若手詩人
クールに落ち着いて人生の苦楽を歌う
東南アジアに入ると
のどかな旋律に載せた唄がはじまり
しかし
どの詩人の経歴にも
苛烈な政治の歴史がにじむ

メコン河の流れのように
あまりにも辛い人生の物語が押し流されますように
詩人たちの涙、息遣い、真実、
それらが遠い国から
ひとつの画面をよぎっていく

世界って何なんだろうね
朗読会がはけて
遠い遠い地域のセッションをザッピングしよう

このフィンランドの女性詩人すてきですねー遠い国でも太陽神経叢に夢中になっている人がいるんですね
イタリアーノベラポエジアーセラポエティカーといってます
もめんとーのすたるじかー
パゾリーニの話がほんとにうれしそう。
イタリアのおばさまの声をきいて幸せになりました

アフリカの
静かな書斎

巨大な
帝国の
知識人たりえた詩人の
諦念のこもった笑み

それを今、この書斎に友人のタカさんを迎え
ビデオをYouTubeで振り返っている
コロナがもたらした
空気の日記、
Zoomの国際朗読会、
講義のグッドプラクティスに対して大学から賞状が届いた、

詩の激しい静けさ、

子どもたち、

ことばの光は
いつ射すのだろう、と

静々と、
静々と、

東京・久我山
田中庸介