3月27日(土)

砂丘きてみた

ひさしぶりに海みたな

自転車に乗るのもひさしぶりなのに
ひと山越えたり
道まちがえて戻ったり

ここに来てみたかった
来たことあった
初めて詩集を出した年に
詩学社と幹くん主催の

夜の鳥取砂丘の中心で詩を叫ぶ

、てイベントが
たしかにここであった
いろんな詩人がいて
明け方まで宿でのんだっけ

ここへ来たかった
見失いそうだったから
詩が
ぼくを
どこからどこまで運んできてくれたのか
確かめたい
気がして来てみた

いったい
ここで何がわかるのか
波の音がする
風の音
時々ひばりの鳴き声

何かに会って
何かを見つけて
わかるというよりか

ああ おんなじ場所にいまいるんだ
、て思えること
そこから静かに湧いてくるあたたかみがあるのを
いま感じている

詩集を出したかった気持ち
たくさんの詩人と会い
やさしい心根の人々の輪に入れた幸運
じぶんがどんな道の上に立ったかということ

大事なものは
もう持っていたよ
最初からあったんだ
なくしてもいない

そりゃあ いい詩が書けたり
誰かに読まれりゃ うれしいけども

そりゃあ あったさ あったよ 色んなこと
傷つくことだって
消耗することだって
ちっぽけな自尊心がぐらつくことなんていっつもだし

ひばりが鳴きながら降りてきた
砂地に生えた短い草の間をあるいてる

あんなでいいんだ
歌いたいから歌って
さっぷうけいな場所をあるいてる
そんでいい

帰りも
坂道を自転車乗って帰んなくちゃいけない
まだ昼過ぎだから
がんばって漕いでくか

おなかすいたな
うまいラーメン屋でも
寄って帰ろう

鳥取・砂丘
白井明大