2月17日(水)

家族以外との身体的接触を断たれて約一年、ヨーロッパと違ってもともとこの国にはハグやらキスの習慣がないので大勢に変化はないが、どこかスースーする気がする。接触だけでなく、マスクに隠されて顔まで見えないという状況は、ブルカを纏った女たちのいるイスラム世界のようだ……などと考えていると、なんと目と鼻の先に、過剰な身体的接触の解放区が拓けているではないか。

からだとからだが
無理矢理
切れ字されて

こころはここに有らず
字余りだ。

海が
ざわついている。こころとからだを
分け隔てる、ひとすじの
髪の向こうで

溢れる
雲の、句跨り。

女性は
何人いますか?
五人?十人くらいいるのかと思った。
五人います。

(笑いが起こる)

私共の
恥。悪口。ご出身。競争
意識。女性は。

いますか?

あの夏、
沸騰するスクランブル交差点の真ん中で
絡み合っていた、舌と
舌……

ディープ・キスは
基本料金に入っている。オプション(三千円)で
即尺。
ごっくん

わたし猿。
になり
たい風に啼き、
たい

苦から空へと跨りながら、まだ
擦ってる

無季の如月。

   

*令和3年2月3日JOC臨時評議員会での森元会長の発言からの引用があります

横浜・曙町
四元康祐