喉を通過したものたちの
なきがらを
つぶして
からっぽに満たす
凍結した道に
うっすらと染まる白は
もっとも滑りやすいから
気をつけて 乗り遅れないように。
しずかなまま
原稿を送って
ぬくもりに代わる
ことばを探している
宿り木かとおもえば
鳥があつまっていく巣を
ひたすらに傍観者として
ゆびさして、
次第にひかりがあふれて
綿毛として雪が舞っていて
めんどうな出来事を
まきとっていく昼過ぎには
きみを育てるきみが
世界中で ゆびをさされる
北海道・札幌
三角みづ紀
三角みづ紀