12月22日(火)

新しいアクリル板が配られ
カウンターに設置された
今度のやつは背が高く
下の開いてる部分が広い
台帳や図面を囲んで業者さんと打ち合わせをする
ための高さだ
秋口から不動産がよく動いている
最初は手放す人が多いのだろうと思っていた
しかし、実際には建て替えが目立つ
相続が多いのはコロナ関連かもしれない
何を考えるにもコロナを考えている自分がいる

仕事を早退して
旧知の若い彫刻家たちのグループ展を見に行く
コロナだから
これで最後だ
今年の展覧会は

切れてゆくものを追って
追いきれない自分がいて
切れてゆく自分を切り刻む
ように刻まれた
モデリングされた
接着された
撮影された
動かされた
ものたちの間に
ただボーっと「彫刻」を見ている

何も考えることなく
ボーっと見ている
何も考えることなく
何かを見ていることは難しい
それを可能にする
永畑智大の彫刻は凄い

永畑さんとマスクごしに語り合い
ツーショットを撮って

ほら穴のような孤独のなかへ
帰ってゆく

東京・小平
田野倉康一