9月13日(日)

朝の道の脇で芙蓉が開花している
鯛の皮膚に似た淡色の
椀状の花弁が風に揺れるさまは
どこか現実の事物とは違い
別の世界の水面に
そっと触れているようだ

朝起きると
たまに
夢を見ていたのか
何かに夢を見せられていたのかが
分からなくなる
夢の中で
わたしは〈わたし〉の後ろ姿を目視したことがある

大風が吹くと
水に映る光景は屈折し
夢が夢に近づく

福岡・博多
石松佳