8月13日(木)

もうじき訪れる
端正な
雷雨を
待つ

木々もわたしも
それを受けいれて

木は色を濃くして身をかがめ
わたしは室内に
午後遅い蝋燭を灯して

聴きなれた蝉の声の中に
かぼそい
ツクツクボウシを聴いたのは昨日

明日
友人に会う
まったくちがう生き物になって
脱皮して会うふたり
待ち合わせるのが少し
気はずかしい

窓の外には
伸びすぎた百日紅が
花束のように広がる

十方世界
充足していないものは
なにもない

千葉・市川
柏木麻里